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2006/12/19 日興コーディアルは課徴金で、ホリエモンはなんで逮捕だったのか。

日興コーディアル・グループが粉飾決算の疑いで、証券取引等監視委員会から課徴金5億円を課されることに。有価証券報告書も訂正するとか。SPCとデリバティブ取引、それにからむ社債発行日を改竄したという、なかなか複雑なスキーム。

日経の解説記事では、刑事告発には証拠集めに時間がかかるので、証券取引等監視委員会は、早期是正の観点から課徴金を選択したという。しかし、 ホリエモンは、証券取引法違反(偽計取引)の罪で東京地検特捜部に逮捕。ライブドア幹部も次々逮捕され拘置所で取り調べを受けたのに比べると、なんだかずいぶんやさしい罰だよなあ。

まあ、細かい罪状の比較については、詳細には検討していないので、何か大きな違いがあるのかもしれないが、ホリエモンだって、課徴金で済むのなら、そっちを選択したに違いない。それであれば、社長の座まで投げ捨てなくてよかったのではないか。守旧社会にとっての嫌われ者として、やはり見せしめでやられたという気もしないでもない。もっとも、日興の件にしても、捜査の進展で刑事訴追がまた俎上に上がってくることもあるのだろうが。

ただ、日経の記事では、デリバティブ利益不正計上は、子会社の一担当がやったとか書かれていたが、これは信じがたい。100億以上も担当の勝手な処理だけで利益が出て、経営陣が理由も分からずに儲かったと喜んでたとしたら、それこそまったくのお笑いである。SPCの連結外しも問題らしいが、連結するかどうかは、明らかに経営判断の問題。担当だけで監査法人が納得したはずがなく、経営層の関与はやはり明らかなのでは。

粉飾の話題になると必ず監査法人の責任を問う声が上がる。確かにある意味その通りで、もしも知っていてグルで黙認していたのなら、エンロンのアーサー・アンダーセンとまでは言わないが、責任問われるのはしかたがない。しかし、エンロンほど不正の規模が巨大なら別だが、日興コーディアルグループの100億程度なら、基本的には会社側が隠そうとして悪意で不正をやるなら、監査人が発見できるかというと、結構難しいのでは。

まあ、エンロンが好き放題悪いことをやらかしたおかげで、「羹に懲りて膾を吹く」感もあるのだが、アメリカでSOX法なるのものが成立。過剰反応ともいえる内容で、関係あるとこれが大変。宣誓書のサインなど、日本にいた頃は、エライ人に、「大丈夫ですからサインしてください」と頼んでた訳だが、こちらの法人では、社長に並んで自分が内部統制の責任者としてサインしなければならない。しかし、自分がサインするとなると、いくら間違ってはいない事を信じてるとはいえ、ちょっとした不安はよぎるよなあ。