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2006/09/20 志半ばで病に倒れた父親、安倍晋太郎の因縁

日本とアメリカは当然ながら時差あり。こちらの朝、ネットで日本語のニュースをチェックすると、もうすでに宴の終わった昨日のニュースという感じがする。そういえば、先日の紀子様出産の時もそうだったなあ。衛星版日経などの活字メディアでは、さらにそれがまた一日遅れ。

安倍晋三官房長官が、自民党総裁選に圧勝のニュースも、アメリカの朝に読むとずいぶん熱の醒めた古いニュースのような。まあ、結果は下馬評通りだが。

麻生外相は、マンガ好きでオタクにも理解あり、演説もお笑い入れて上手で、宴会の座持ちがよいタイプかもしれない。ただ、いくら育ちがよくとも、差別意識満載の品性下劣な男に日本を代表してほしくはなかったから、これで結構。

谷垣財務相は、政治家として影が薄い。昨今メディアが繰り返し報道したから思い出したのは、2000年、「ヘナチョコ加藤の乱」で、盟友山崎氏と二人で本会議場に内閣不信任票を投じようとする加藤氏を、「大将が行っちゃダメだ!」と泣きながら絶叫して引き止めてたあのシーン。

しかしまあ、あの時点ではすでに負け戦。筋を通すために単騎でも敵陣に討ち入って自刃しようという大将を、家来が涙で止めて、いったいどうなったのか。結局のところ、加藤「大将」は政治生命をほとんど失ってしまった。本来、忠誠を尽くす家来であれば、むしろ大将にお供して、いや自分が先に立って玉砕するくらいの気概が必要だったのでは。家来としては、実に軟弱で愚な判断であったと思う。しかも、その後、いつのまにか加藤の後ガマで、そ知らぬ顔で自分が大将の座に座ってるのだから、まあ、そこがどうにも納得行きかねるところではある。今般の政策でも、消費税率をドラスティックに上げないと財政が破綻するのは事実かもしれないが、政治家の蛮勇を奮える歳出削減に対して及び腰。そもそもの政策が、財務省役人からの入れ知恵をそのまま使ってるという気がしてしかたない。この人をトップにしたら、本当に大事な時に国家百年の計を誤るよ。

ま、そんな面では、安倍新首相しか選択の余地はなかったのだが、未解決の難問を数々とそのまま放り出し、一般的人気が高いまま去ってゆく小泉の後としては大変だ。選挙にしてもゆれ戻しで負けるのは必定。今後が結構苦しい。本来ならばワンポイントで誰かにやらしておき、ボロボロになったところで起死回生の若きエースとして登板するほうがよかったかと思うが、歴史はそれを許してくれなかった。総理の座を目前に、志半ばで病に倒れた父親安倍晋太郎の因縁が、また日本の政治にドラマを作ろうとしているのかもしれない。