MADE IN JAPAN! 過去ログ

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2006/08/02 亀田君は、チャンピオンになってしまった。

一昨日の日記で書いてから気になって、結果はネットでチェックしたのだが、亀田の世界戦は、「疑惑の判定」で結構大騒ぎ。やはり見たかったなあ。アメリカでは、軽量級というのは人気もないし、まして日本での試合とあって放映もなかったから、特段ニュースになってないのだが、Yahoo!でも検索すると一応英語の記事は出てくる。

どこの記事も「Even the cheering Japanese fans at Yokohama Arena seemed shocked by the decision.」などと書いてあるのは、ネタ元が、Associated Pressで同じだからだろう。

まあ、しかし、「疑惑の判定」で思い出すのは、鬼塚勝也。チャンピオンになった時の試合がそうだったし、防衛戦でも疑惑の判定が囁かれた。Wikipediaにも、ちゃんと掲載されている。ずいぶん懐かしい気がしたが、そうか、あれはもう、1992年か。

その鬼塚が所属したのと同じ協栄ジムに、現在の亀田が所属。当時の先代、金平会長は、それよりずっと前、確か具志堅の頃、「毒入りオレンジ事件」てのを起したよなあ。対戦相手にオレンジを差し入れしたが、その中に毒が仕込んであったという事件。この事件で処分され、ボクシング・コミッションから一時ライセンスを剥奪されたはず。現在の協栄ジムは、息子に代替わりしているらしいが、昔からウサンクサイ体質が変わらないと言えば変わらない。

ま、しかし我ながら、最近のことはすぐ忘れるのに、昔のことはよく覚えてるもんである。「老人力」がだいぶついてきたのかもしれない。はは。

中継なかったものの、YouTubeで、1Rのダウン・シーンと12Rから判定までは見た。最後のラウンドでは、対戦相手よりも亀田のほうに、だいぶダメージが蓄積していたのが明らか。もちろん、ボクシングの採点はラウンドごとに行うし、蓄積したダメージを厳密に測定する方法はない。累積のダメージと判定結果が違ってもおかしくはないかもしれないし、専門家の眼で採点すると、今回の結果もありうる事なのかもしれない。しかし、プロ・ボクシングは、そもそも一般大衆に公開して金儲けしているスポーツの興行。観戦する普通の観客の印象と採点の結果があまりにも違うというのは、そもそも採点基準がプロ・スポーツとしておかしいか、採点した人間がおかしいのかのどちらかである。

亀田が試合終了後のリングで、「どんなもんじゃ〜」と叫んだのをYouTubeで見た時に思い出したのは、あれだな、吉本新喜劇の池野めだか。喧嘩してメタメタにやられた池野めだかがおもむろに起き上がって、「今日はこれぐらいにしといたるわ」といきがる。「お前がやられてんのやがな」と皆から突っ込まれるというギャグ。まあ、亀田本人は一生懸命やってたのだろう。しかし、彼がこれから背負う「疑惑の判定」「疑惑のチャンプ」という刻印は、19歳が背負うには、結構重いよなあ。なんだかちょっと気の毒に思ったりもしたのであった。


2006/07/31 「亀田君、ボクシングは甘くはない」

今週号の「文春」と「新潮」のどちらにも、2日にWBAライトフライ級王座決定戦を行う亀田興毅批判の記事が。そういえば、対戦した外国人ボクサーが、「会った日本人はみんないい人だったが、亀田だけはロクデナシだ」と憤慨していたというニュースを以前読んで笑ったなあ。まあ、確かに礼儀知らずの無礼な若者ではあるが、若いうちはあれくらい傲慢でないとボクシングで頭角を現すのは難しいのでは。もういい年なのに傲慢で礼儀知らずの親父のほうが問題という気もするわけであった。商売のため作られた虚像と批判もあるものの、ボクシング人気の再興には貢献度大である。

11戦全勝とはいえ、最初の8戦はタイ人の噛ませ犬ボクサー相手の試合。だが、子供の頃からの親父のスパルタ・トレーニングで練習量は豊富。鍛えてるから、スタミナもパンチもあるのは事実。ただし、そもそもトレーナーについてる親父も、ボクシングのコーチできる技量があるわけもなく、ボクシングのテクニックには疑問符がつく。ガードが高いのはよいことだが、今までの試合を見ても、攻撃に気を取られる間に結構パンチも貰っている。歴戦のテクニシャンと対戦した場合はどうだろうか。

具志堅用高は、「亀田君、ボクシングは甘くはない」という記事で、亀田の傲慢な態度に苦言を呈しているのだが、「精神的な強さ、本当のハングリー精神があるのか」とも語っている。雑誌での対談やTVでの取材を見るに、亀田本人には、強気で傲慢な態度とは裏腹に、意外に繊細で小心なところもあるように思われる。今回の相手は、下のクラスから体重をワン・クラス上げてきたわけで、本来の亀田の階級からすると2階級下の相手。体力的には圧倒するし、最初にパンチが当たれば楽勝もありうる。しかし、相手のいいパンチをもらって最初につまづき、試合が長引いたりすると、ひょっとして心が折れる部分もあるような気もするのだが。興味深いが、当然ながらアメリカでは中継無し。ライブで見れなくて残念だなあ。