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2006/01/19 システムがパンクするので、株の売買を控えてください

昨日、ライブドア・ショックで小口の売り注文が殺到し、東証のシステムがパンクした件については、英文ニュースでも大きく取り上げられている。まあ、しかし、ライブドアが上場廃止基準に抵触してマーケットから退場するのは勝手だが、東証のシステムはパンクさせるわ、狼狽売りを誘って日経平均も大きく下げるわ、ホリエモンもどこまでもはた迷惑な野郎である。

しかし、東証も実にオソマツ。そもそもシステムの処理能力が限界に近づいているのは、しばらく前のトラブルの時から分かってたこと。思わぬ事件で売却が増えたとはいえ、対応があまりにも遅すぎる。
1日に処理できる売買成立件数を、現在の450万件から、30日に500万件に引き上げ、将来的には800〜700万件に拡大する方針を明らかにした。
と報道されているが、450万件でパンクするシステムを800万件程度まで拡張しても安全とは言えないのでは。少なくとも処理できる量を一気に1桁上げるくらいのことをしなければ、経済の基盤をなすシステムとしては到底十分な安全係数を取ってるとはいえない。

「皆さん、システムがパンクするので、株の売買を控えてください」と証券市場がアナウンスするというのは悪い冗談にしか聞こえないものなあ。お笑い草である。

ライブドアの証券取引法違反については、続けざまに色んな報道が交錯している。しかし、よくよく考えてみると、投資事業組合を間に挟んだスキームというのは確かにグレーゾーン。連結の対象とすべきかも議論があろうし、自己株式の売却益とはいえ、第三者の投資事業組合が上げた収益だと考えれば、それを出資に応じて収益認識してもあながち粉飾と言い難い面もあるのでは。また四半期決算での粉飾は、そもそも会計基準もなく会計監査の対象外でもあるから、粉飾と言えるのかどうかという考えもあるだろう。もちろん、立法の趣旨や、資本取引と損益取引を峻別する会計基準の趣旨を斟酌し、企業の社会的責任を考えるならば、やはり明らかにおかしいと思われるのだが。SPCに損失飛ばしたエンロンと似た部分もある。違反スレスレのスキームとして知恵者が考えたんだろうが、果たして逃げ切れるか。今後の展開からなかなか目が離せない。