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2005/12/04  強度偽造問題、パンドラの箱が開く 

耐震強度偽造問題も更に紛糾。現行の法規では、ローンをかかえた不良物件入居者の救済には限界があるだろう。担保物件価値の下落について、すべて債務者がリスクを負う日本のシステムは、金融天国日本とはいえ、やはり理不尽な気がする。手抜きで物件を作った業者は栄え、常に購入者だけが泣くことになる。

もっとも、耐震設計を偽造して安い物件を作れば儲かるというのは、ヒューザーの小嶋社長が最初に発見した「儲けのコツ」であるはずがない。彼は胡散臭い詐欺まがいの職を転々とした後、この金の成る木を見つけ、おこぼれにあずかった小物に過ぎないだろう。「なんとかイン」とか称する小さなビジネス・ホテルにしても、大都市には同じようなビルが何十と建っている。今回問題になった物件だけが耐震強度偽造で安く作ったはずがないと思うのだが。

「悪者捜しに終始すると景気がおかしくなる」、武部幹事長は単純な愚か者であるが、愚かであるだけにポロリと本音を語っている。執拗な犯人探しは、土建国家日本の屋台骨をゆるがすことになると。耐震に問題のある物件は、姉歯が手がけた物だけのはずはない。土建業界が手抜き設計、手抜き工事で儲けた金の幾分かは、勿論政治に還流しているだろう。パンドラの箱が開く前になんとか決着をつけようとする闇の力がそろそろ動き出すのではないか。そんな気もする。