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2005/11/07 皇族に意見を聞くのが憲法に反するかねえ / 眼に見えないエスカレータ 

「寛仁親王殿下が、政府の「皇室典範に関する有識者会議」が打ち出した女性・女系天皇容認の方針に疑問を呈されたことが波紋を広げている」とのニュース。まあ、波紋が広がるのは当然そうだろう。

有識者会議の吉川弘之座長は、元東大総長というエライ学者らしいが、ロボット工学専攻。「(皇族方の)意見を聴くことは憲法に反する」などと発言していたそうである。憲法の何条に反するのか知らないが、この程度の社会常識しかない理系のセンセイが、皇室典範見直しの有識者会議座長だというのも困ったもんだ。まあ、お役人が自分達の決めた結論に太鼓判押してもらうためには、専門家ではないほうがアヤツリ人形として御しやすいということなんだろう。男系男子相続の廃絶が本当に国民の総意だというなら異は唱えないが、お役人と限定されたシロウト会議だけによる拙速な結論は是非とも止めてもらいたいなあ。



先週末、妹がまだ3歳の姪を連れて東京に遊びに来た。金曜休みを取っての4連休。本来ならむこうの旦那が面倒見てくれればよいのだが、仕事の都合とかで先に帰り、土日は私が替わってベビーカー押して、ディズニー・シーやら上野の動物園やら連れてゆく役に。

妹の子供は割と人見知りするタイプで、半年前にPerthで会った時は、抱き上げても無言で固まっていた。しかしどういう風の吹き回しか、今回は再会した瞬間からニコニコ笑ってまとわりついてくる。子供の社会性ってのも実に劇的に変化するものだと妙に感心。

外出では、まだ大人の足にはついて行けないので急ぎならカートに乗せたほうが便利。しかし乗せたままだと階段やエスカレータが難儀である。駅やら地下街で、どこにエレベータがあるかなど、今まで一度も気にしたことがなかったが、移動が実に面倒なことを発見。

健常者を車椅子に乗せたり目隠しして、外を歩いて障害体験をしてもらう福祉教育がある。子供を連れて歩く面倒を障害と呼んでは叱られるが、いざ子供のカートを押して歩くと、日本てのは実に不便なところが多々ある事がよく分かる。JRの駅もひどくて、駅によってはエレベータどころかエスカレータすらない場所もあるものなあ。この辺をなんとかしないと日本の少子化にもストップかからないのでは。猪口少子化担当相は双子の母親だそうだが、昔経験した苦労を思い出して政策提言してもらうと社会全体のバリアフリー進展にも役立つのでは。

私自身は、普段駅では階段かエスカレータしか使わないので気づかなかったが、今回、図らずも観察すると電車の駅にも結構「エレベータ好き」な客がいる。荷物もないし階段使えばよさそうな連中がエレベータ近辺で降りて、早速走って行って、してやったりとばかりに乗って行く。カート押す面前で間に合わずにエレベータのドアが閉まったりすると、なんだか情けない気分になったりもするのであった。今までそんな事など観察すらしたことすらなかったが、世の中色々あって面白いもんだなあ。

まあ、短い経験であったが、なかなかの社会勉強になった。JRも少なくとも階段にエスカレータくらいはもっと設置してもらいたいというのも感想。昔、ドイツに行った時、確かハイデルベルグの駅だったと思ったが、エスカレータ無しの階段があった。バアさまが荷物持って階段の下に差し掛かると、横のドイツ人がさっと荷物を手に持って階段を上がる。バアさまのほうも固辞するでなく、「ハイヨ」といつもの風にその好意を受け取る。荷物を持った男は階段を登り終えると荷物をトンと置いて、特段眼を合わすでもなく軽く手を振って振り返りもせずに立ち去る。この駅には、たとえ機械のエスカレータがなくとも、人間の助け合いという目に見えないエスカレータが設置してあったのです。など、まるで永六輔のような詠嘆で本日は終了だ。わはは。