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2005/10/04 村上ファンドの古典的アプローチ 

村上ファンドが阪神電鉄筆頭株主にいきなり登場して世間を騒がせている。村上氏個人の金でないにしても、1000億円動かすとは大したもの。It takes money to make money.

「会社は株主の物」、「もの言う株主」というコンセプトに大筋で異論はない。しかし本来の欧米型企業統治では、そもそも「所有」と「経営」は分離されている。

株を買い占めた会社に乗り込み(あるいは呼びつけ)、資産を売って配当しろ、タイガースを上場しろ、こんな収益向上策をとれと要求。こういう村上ファンドの行動は、株主の権利行使というより、嫌がらせの「株買占め」を武器にして「恫喝」を行い、経営そのものに影響を及ぼすという、日本のヤクザ、フィクサーや総会屋が使った古典的アプローチに近いのでは。今までの行動見ても、結局のところ転売益で儲けているだけ。そのへんがどうにもウサン臭い。

経営者のほうも、自分が所有している訳でもない会社の買収防衛策を汲々として検討するより、誰が株主になってもクビにならない経営をプロとして行なうのが本筋。「企業価値の向上については最大限の努力をいたしますが、経営の意思決定については経営者である私の仕事です。実績が上がらなければ、どうぞ株主総会で私を解任してください」 そんな経営者がいないものかね。