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2005/10/03 国勢調査は封をして提出?

ちょうど国勢調査の回収時期。報道では、ニセ国勢調査員が調査票を回収しようとしたり、本物の調査員が訪問しても無視されたり、あれこれ問題生じているとか。昨日の夜、調査票を記入。調査員が回収に来るというのだが、郵送ではなぜダメなのか。

総務省統計局の「国勢調査に関するQ&A」を読むと、結構知らないことが書いてあって参考になる。まあ、しかし前例主義のお役人の理屈に過ぎないように思える部分も多々あり。

統計法による強制力を持つ調査で、国民に回答義務があるのは分かる。今回から、全世帯に封入提出用の封筒が配付されているのは改善だろう。しかし、最近の個人情報保護の流れからすると、調査員が回収に回り、原則として面前で回答をチェックするという方式が、いかにも前時代的。留守で回収できない時には近隣やマンション管理人への聞き取り調査すると言うのだが、そんなことまでやってるとは知らなかった。なんだか、「隣組」とか「国防婦人会」とか、「オイコラ」式で人を捕まえて尋問する「昔の警察」なんかを連想するな。

国勢調査員は全国で80万人もいるという。公募や公務員OB、町内会・自治会の推薦で選ばれると書いてあるが、だいたいは近所の世話好きのオバちゃんやジイさまではないのか。守秘義務があるとはいうものの、「世話好き」と、「詮索好き・おしゃべり」は表裏一体。調査票回収の際に知った個人情報を、80万人全員が本当に誰一人として漏らしていないとは到底思えないのだが。

実際、前回国勢調査でも、市民団体が開設した苦情受付電話には、「町内の噂になった」など、個人情報の流出を伺わせるトラブルが多々報告されたらしい。「あそこの息子は無職なのよ」、「あの奥さんは若作りだけどもう50だって」、「あそこで一人暮らししてる女は離婚よ」。そんな会話を娘や旦那としている調査員はきっと存在するだろう。一罰百戒で、情報を漏らした調査員が罰せられると効果あると思うなあ。

調査項目にしても、例えば、氏名や勤務先名まで書かせる意味が本当にあるのか実に疑問。チェックに必要というが、電子データとして保存される項目ではない。統計精度を高める効果より個人情報流出リスクのほうが高い項目だと思う。「先週何時間働きましたか」というのも、4年に1回全国民に調査していったい何の役に立つのか。失業率の統計なんて別に取ってるからなあ。昔と比較して調査項目が減っているようなのは評価すべき点と思うのだが。

まあ、いずれにせよ国勢調査も、その手法を調査員制度も含め、根本的に考え直す時期に来ている。今回は封入封筒による提出の比率が10ポイント程度上がる事は総務省でも折込済みだそうだが、予想を超えて封入提出が増加したら、回収方法を考え直すよい機会になるのでは。そんな訳で、ま、大した個人情報でもないが、今回は封をして調査員に渡そうと考える次第である。



とまあ、ここまで書いたところで調査員が調査票を回収に来た。鉄棒引きのオバハンかと思ったら、なんと回収に来たのは若く愛想のよい美人。事実は小説より奇なり。こういう女性が来るのなら面談調査に応じてもよかったなあ。しかし、すでに調査票は封入してある。ま、国民の義務ですから、あまり調査員に迷惑かけぬように、ちゃんと協力せねばいけませんな。<最初と書いてることがぜんぜん違うっちゅーの。わはは。