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2005/07/10 「ドレスデン国立美術館展」

土曜午前はゴルフの練習に。ドライバーを振る時のスイングを、大きくゆったりと取ると、実に気持ちよい当たりが出るのだが、スイング軸が固まってないせいか、ミス・ショットの確率も増す。あれこれ試行錯誤しながら一汗。

午後はブラブラ上野まで出て、「ドレスデン国立美術館展」

「ドレスデン」というと思い出すのが、カート・ヴォネガット・ジュニアの小説で、何度もモチーフとして繰り返される第二次大戦時の連合国による凄まじい爆撃。市全域の85%が灰燼に帰し、三万五千人が死亡したという。そういえば、「スローターハウス5」は名作だった。

ドイツで栄華を誇ったザクセン公国の首都。フェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」やレンブラントの「ガニュメデスの誘拐」など、世界的に有名な絵画も展示されているのだが、王家の収集品には集光鏡やら地球儀、四文儀などの科学機器も多く、透視図法による作図が帝王学の学科に入っていたなど、いかにもドイツらしい気がする。芸術、文化ともにフランスやイタリアの影響があちこちに見てとれるのだが、フランスのルイ14世の栄華というものが実に飛びぬけていたということもよく分かる。世界帝国フランスに比べれば、アウグスト強王の下で繁栄したザクセン公国すら、所詮貧乏国に見えるほど。

余談だが、美術館の音声ガイド案内というのは、どの展覧会でも、慇懃な説明文のトーンが実に似通っている。美術史や美学を学んだ学者特有の「紋切り型」というものがやはりあるのだろうか。