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2005/05/25 堤義明の夢枕に、あの怖かった親父が立つ

昨日夜、TVのニュース見てると、あちこちで西武鉄道臨時株主総会のニュース。「村上ファンド」村上氏は、善悪ではなく損得で動いてるのに過ぎない。従って、その意見の全てにあれこれ反応するのも愚かなことではあるのだが、「西武経営改革員会の諸井さんってのはいったい何なんですか」と吐き捨てるたような感想が面白かった。

今回の「西武経営改革員会」のやったことは、極端に悪し様に言うなら泥棒の片棒担ぎだ。あまりにも多額の貸付の回収可能性が怖くなった銀行は(もっとも別に脅されたわけではなく自分で勝手に貸したのだが)、西武の総帥堤義明が逮捕されすっかり弱気になったことを奇貨として、債務超過にも陥っていない西武グループを堤一族から取り上げ自分達のものにしようとしている。

堤一族の支配力を削ぐために、銀行から西武鉄道に多額の出資を行うのだが、堤一族以外の株主の価値を本当に毀損しないのか。堤一族の株主価値を毀損しようとしているのだから、当然、他の現在の株主も影響受けるざるを得ない。銀行からやってきた新副社長は、臨時株主総会で批判を浴び、「経営改革委員会」の基本方針なるものは決定事項ではなく「たたき台」にすぎないと答弁。これからももっとモメるだろう。

日本の銀行は、カネが要らない時には「借りてくれ」とうるさくやってきて、カネが本当に必要な時には、「返してくれ」と取り上げて行く。自らの「貸し手責任」を忘れて、私有財産を否定するような権力の簒奪など行ってよい訳がないと思うがなあ。

しかし、堤義明も本当にこのまま黙って座して、堤家の財産が散逸して行くのを見ているつもりだろうか。堤義明を後継者にした、一代で西武グループを築き上げた立志伝中の先代「ピストル堤」の遺志は、「一銭たりとも他人にくれてやることなく、堤家の財産を末代まで維持せよ」ということだったはずだ。「コクド」の持つ西武鉄道支配権を手放して堤家の財産を無くしたら、堤義明の夢枕に、あの怖かった親父が立って激怒すると思うのだが。

同様のことは、以前、過去日記の2月4日分で、「西武王権の簒奪」としても述べている。いやはやしかし。