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2005/05/08 金切り声の正義

パース滞在中も、NHK国際衛星放送で「尼崎脱線事故」のニュースは逐一流れていた。しかし、ここ数日のJR西日本をめぐる報道は、メディアが先頭を切って集団ヒステリー状態をあおり、バッシングも行き過ぎのような気がしてきた。JR西日本首脳には確かに大きな責任があるだろう。会社の体質にも問題が大いにあるのかもしれない。しかし、謝罪記者会見に飛び交った怒号や金切り声の糾弾は、いったいなんだろう。事故の遺族が会場にいたのならある程度理解もできる。しかし、メディアの記者が金切り声を上げてるのだとしたら明らかに行き過ぎである。

悲しいかな、「不幸」は視聴率を稼げる。TVを中心としたメディアが、これでもかと遺族を追い掛けまわすのも、いつの事件、事故、災害でも飽きるほどくりかえされた出来事ではあるのだが、こちらのほうも今回はあまりにもやり過ぎだ。ぶらさがって取材すれば遺族の悲しみの声にはキリが無い。しかし、メディアがそれをヒステリックに煽っている面もずいぶんある気がするのだが。

そして事故後に頻発している線路への置石。言語道断な犯罪行為だ。気の狂った愉快犯の仕業であればまだしも、行過ぎたJRバッシングに煽られて、まるでこれがJRに対する天誅であり、正義でも行っているかのように考えている異常者がいるのだとしたら、メディアには責任がないのだろうか。

事故車両に乗っていたJRの運転士がそのまま仕事に行った、事故の日にゴルフやっていた、ボーリングやっていた。「それでいいのか」と金切り声で問われれば、バカボンのパパではないから「それでいいのだ」とはもちろん言えない。しかし、本来ああいう情報は、事故の内幕として週刊誌が後で扱えばよいもので、TVやら新聞でそれみたことかと大々的に連日報道するのも、妙な気がしてしかたないのだけどなあ。