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2004/10/10 アメリカ大統領選挙ディベートとワシントン・レッドスキンズ 

昨日は出勤。会社にいるうちにみるみる台風が接近し、一頃はずいぶんと風雨が強かったが、あっという間に中心は東京を通過して北東へ。9時過ぎに会社を出る頃には雨も上がっていた。

帰宅してビデオ録画したアメリカ大統領選挙第2回ディベート(Presidential Debate)を見る。SkyPerfecTVで中継していたのだ。いわゆるタウン・ミーティング方式というのだろうか。候補者が回りを囲む聴衆からの質問に答えるという形式。質問をする聴衆はいわゆるどちら支持かを決めていない中立層から選ばれ、事前にブッシュとケリー両方に1問ずつ質問を提出。TV局側がその中から選択するという形式で、なるたけバイアスがかからないような方式を取っている。ケリーへの最初の質問が「決断をよくくつがえすwhishy-washy(優柔不断さ)について」であり、ブッシュへは「大量破壊兵器が見つからなかったイラク戦争の大義」であったりしたのも、なるたけ公平に痛いところをつこうという主催者側のバランス感覚か。

しかし思想信条というものは質問に自ずから現れる。abortionについてケリーに質問した女性は共和党支持ではないかと思うし、最高裁判事に欠員があれば誰を選ぶかというブッシュへの質問は、フロリダ・リカウントでブッシュを救った、共和党多数派の最高裁判事の事を揶揄したのではないかと思えてくる。

聴衆はいかにも中西部セントルイス。アフリカン・アメリカンはごく少数混じっているが、アジア系は誰もいない。アメリカの西海岸だけしか知らないとつい忘れてしまうが、中西部、アメリカのハートランドはまさに白人の王国。その中でも聴衆は慎重にスクリーニングして選ばれているのか、雰囲気はオプラ・ウィンフリー・ショーに集まる連中とはだいぶ違うなあ。

ケリーのほうがやはりディベートには慣れている。常に礼儀正しく聴衆の質問に感謝し、回答を前の質問の補足に使ったり、自問自答方式で自分の意見を巧みに強調する。すべての回答において大統領との違いを際立たせようという意図が見える。

ブッシュはかなりくだけてフランクな調子の受け答え。イラク関係の質問についてはかなり事前に練習したのか、自信に満ちた受け答えが続く。しかし、話しかけた言葉を途中で止めて言い直すという特徴があって、時としてこれが回答の曖昧さに聞こえるのも事実。ケリーが自分を批判している時に見せるイライラして自信なさげに見える表情がやはりちょっとマイナスか。

ブッシュは論理的なしゃべりと議論には弱いというのが定評だが、今回は意外に健闘して、ダウンせず打ち合い、よく持ちこたえたというのが印象。2人だけで殴り合いをする第1回ディベートと違い、聴衆とのやりとりという、ワンクッション置くスタイルが幸いしたか。前回の反省からかなりあれこれ想定して練習もしただろう。

ディベート後の調査では、ケリー勝利という意見が若干多いが誤差の範囲内。実際の投票動向にどこまで反映されるかはちょっと疑問。現段階では、やはりブッシュの若干リードというのは変わらないか。

こうなると気になってくるのが、9月21日でも書いた「アメリカ大統領戦のジンクス」。投票日直前のNFLでワシントン・レッドスキンズが勝利すると現職が勝つというアレである。ディベートの中でもケリーが、ブッシュがレッドスキンズのファンならうんぬんとジョークに使っていた。

投票日の直前試合は10月31日、対戦相手はグリーンベイ・パッカーズ。ただ、どっちのチームも現段階では負けが込んでお互いに調子が悪い。どちらが勝っても不思議ではない。こっちの結果からも目が離せないのであった。