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2001/01/31 紫煙も凍るCM〜禁煙しないとなあ。

昨日の夜チェックしていたSuper Bowl Adであるが、ゲーム同様、例年よりもちょっと地味だったかも。「ハンニバル」の予告編は、アンソニー・ホプキンスがなかなか不気味で、小説を読んでると、「ああ、あの場面だな」と分かるシーンがいくつもある。アメリカではもうそろそろ公開なんだなあ。

スーパーボウルのCMは、放映権を買うのに、30秒で2百万ドル以上かかるらしいから、どのCMも金をかけて作っている。ただ、一瞬の笑いとショックを与えるのに走りすぎて、いったい何のCMだったか記憶に残らないのも多い。

深夜、アパートメントの前に路上駐車してる車の防犯アラームが突然鳴り出すというCMがあった。すると上空から大きなソファーが落ちてきて、車は大破。上のアパートメントの窓からは、騒音を腹に据えかねてソファーを投げ捨てたオバハンが、してやったりという顔で、ポンポンと手をはらってるというもの。

痛快ではあるが、これが何のCMかと言うと、スニッカーズである。チョコレートバーとは何の関係もない話だが、直後にスニッカーズのロゴが映るから、確かにスニッカーズの広告なのである。ビール飲んでスーパーボウル見てる観客にはウケると思うが、ま、なんでスニッカーズの広告なのかはよく分からん。しかし、スニッカーズのロゴが映るから、確かにスニッカーズの広告なのである。<しつこいな!。

余談だが、アメリカの車には、この盗難防止アラームがついてるのが多いが、よく故障で突然鳴ったりする。これがホントにうるさい。鳴ったとしても警官でもない限り誰もその車には近づかない。妙な義侠心出して他人の車を助けに行って、ナイフ持ったホントの自動車泥棒に出くわしたらヤブヘビだもんなあ。あのアラームも、効果のほどは実に疑問だ。

スーパーボウルCM常連のバドワイザーやペプシのCMも手慣れたもので、なかなか笑える。この手のスポンサーは、自社の商品名を訴求するというより、仲間が集まってワイワイとスーパーボウル見てる時に、「おい、今の見たか? ゲハハハ」と笑ってもらって、ビールやコーラの消費が増えればそれでいいという感じだろうか。

もっとも、ゲーム後半に放映されたAmerican Legacy Foundationの禁煙を勧めるCM2本は、妙な迫力があった。最初の1本は、暗い画面にコンピュータ合成された男の声が響く。「1998年、タバコ業界はマーケティング手法を改め、広告立て看板やマンガを宣伝に使わないという協定にサインした。世界は変わりつつある」。そして、画面が切り替わると、その声は、タバコによる喉頭ガンで声帯切除手術を受け、声を失った老人が、発声補助器具を使ってしゃべっていた声であったことが分かるというもの。

もう1本には、リック・スターターと名乗る男が登場し、「妻のモーリーはタバコのせいで46歳で死んだ。まだ46歳だった。」と語る。画面には、懐かしい昔の2人の写真がフラッシュバックして次々と映し出される。そして、夫は最後に、「23歳がもう人生の中間点だなんて、考えたこともなかったと思うよ」とつぶやく。

最後に、「Cigarettes don't care. We do.」とロゴが映る。ピタリと訳するのは難しいが、「タバコはあなたが死んでも気にしません。だけど私達は違います」というところか。

アメリカは禁煙大国でもあるが、それでもなお結構タバコを吸ってる人はいる。ビール飲んでピザ食べて、大騒ぎしてゲームを観戦してるアメリカのあちこちで、タバコ吹かしてる奴の紫煙は、しばしの間凍りついたに違いない。

とか言いつつ、私もこれ書きながら紫煙をくゆらせているのだから、どうにも救いようがないな。<結局、そういうオチかい!