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2001/01/29 ジンジャーとは何か? / スーパーボウルと「マトリックス」

昨日、どこかのニュース番組で、「ジンジャーとは何か」という特集をやっていた。ちょっと前にニュースステーションでも同じようなのをやってたなあ。

アメリカの発明家、カーメン氏が、来年発売予定の試作品をごく限定的な投資家に見せたところ、「世界を変える世紀の発明だ」と誰もが絶賛して、即座に何百万ドルもの投資を決めたという話がアッと言うまに世界を駆け巡って、たいへんな話題になったらしい。

しかし、ニューヨーク発14日のニュースでは、当のカーメン氏本人が、「プロジェクトの見通しは明るいが、人々が想像しているような革命的なものではない」と語ったと報道されている。その発明品というのが何なのか、まったく明かされていないために、噂が噂を呼んで話が膨らんだが、世界を変えるような発明が、ちょっとやそっとでできるものではないという気がするな。

本当に世界を変える発明というものは、意外に、発表当時は誰にも理解されず、馬鹿にされるような物であるのが世の常であるような気がする。空を飛ぶ夢を見た男を、人類が月に立つ夢を見た男を、当時の回りにいた常識人は何と言ったか。株式の世界で切った張ったやってる投資家が見たとたんに、「これはスゴイ」と理解できるようなものが、本当に凄いのかどうかってのは実に疑問だ。

もっとも、一瞬見て、「これは世界を変える」と直感できるような発明というのも、あることはあるらしい。パーソナル・コンピュータの歴史で言うなら、それはコンピュータの黎明期に、ゼロックスのパロアルト研究所にあった。

その研究用の試作機を見たとある若者達は、そこに、「まるで自分の机の上で作業してるかのように自由にあやつれる個人用コンピュータ」という、信じられない未来の幻を確かに見た。アップルやマイクロソフトは、どちらも、世界を変えるその幻を追いつづけた若者達が産み落とした会社である。肝心のゼロックスはどうしたと言いたいところだが、「世界を変える発明」の真の価値を見出すのが、いかに難しいかを思い知らされる話でもある。



さて、今朝はビデオをセットするのを失念して出社したので、本日は定時早々に帰宅して、NHKでスーパーボウルの再放送を。レイヴンズのディフェンスは素晴らしいが、イマイチ地味な試合。第2Q最初のレイヴンズのリバース連発後、バックトスからの長いフォワードパス一閃というめまぐるしいトリックプレイにはびっくりしたが、トリックプレイというのは成功しなくては意味ないのであった。

中継では、スタジアム上方に無数に配置されたキャメラの静止画を、切り替えながらコマ送りで再生して、プレイを立体的に見せる趣向に感心した。いったんすべての画面が止まった後、全てのプレイヤーが凍りついた静止画を、上方から見下ろすカメラだけが回りこみながら視点を変える。「EYEVISION」と言うらしいが、時空を自在に操るかのような、まさに「神の視点」。

要するに映画の「マトリックス」で見たようなあの映像を、ライブのフットボールの試合で再現して見せるのだから、アメリカのスーパーボウル中継も、すでにエンターテインメントとして、映画と比較するべき世界に突入したと言っても過言ではないだろう。

第3Q、17−0からNYジャイアンツがキックオフリターンTDというビッグプレイで一矢報いるが、なんと直後のキックオフリターンでレイヴンズが同様にあっさりTD。この時点で試合の流れはレイヴンズに決定的に傾く。ジャイアンツは緊張の糸がこの時点で切れたかのようで、それからはガタガタ。去年のスーパーボウルは最後まで接戦だったが、意外に今回のような凡戦も多いんだよなあ。