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2000/12/19 「マルサの女」のモデル 


今朝は8時15分から部の勉強会があるのだが、寝坊してアタフタ。あわてて支度して駅までダッシュ。なんとかギリギリで間に合った。しかし、朝っぱらから走るとカラダに悪いな。体調のほうは、昨日のカレーの効き目があったか、なんとか正常に復したような気がする。もっとも、あんまり食欲は無し。

9時半からは、わが社の税務顧問と打ちあわせ。この人は、定年退職した国税局の元部長であるが、退官後に税理士として事務所を開業。十数社と税務顧問契約を結んで色々と相談に乗っているわけである。国税局は総務部門がある程度退官後の面倒までみるらしい。

企業としては、街場の個人税理士と話をするより、こういう元お役人と契約しておくほうが、なにかと情報が入ったり、国税との顔つなぎができたりして便利ではある。

営業権の償却や、企業グループ間の転属に伴う退職給付債務の引継ぎ、ヘッジ会計導入に伴う帳簿要件など、あれこれ相談したが、たいへんに物分かりよく、「まあ、それが合理的な処理であって、理論的に疑義がなければ大丈夫でしょう」、「それでよろしいですよ」を連発。

現役の国税調査官も、これくらい物分かりがよいと助かるのだが。調査に来るのは、どちらかというと、鵜の目鷹の目でアラ探しをする奴が多い印象がある。調査部門にいると、ある程度増差(更正して税金を余分に取ること)に対してノルマがあるらしいが、世の中、モラルなく平然と脱税する企業もあるから、まあ、国税調査官なんかやってると企業性悪説に傾くのも無理はないか。

そういえば、この税務顧問が現役の調査部門の時、部下にいた女性が「マルサの女」のモデルになったのだという。伊丹十三が何度も本人に取材に来ており、映画の中にもその女性のプロフィールが取り入れられているのだとか。伊丹十三は、尽きない好奇心で、対象を克明に取材し尽くして映画の材料にするところが凄かった。

あの唐突な自殺にしても、「ミンボーの女」で民事介入暴力を取材しすぎて暗黒世界の怒りを買い、脅迫されていたことが根本にあるなどと噂されたが、真相はすでに闇の中である。

余談だが、大掛かりな脱税の摘発のキッカケは、内部告発によるものが結構多いらしい。誰にだって最低限の良心やコンプライアンス精神はあるもので、いくらサラリーマンとはいえ、上から理不尽な指示をされたら、告発しようという気になることもあるだろう。逆に言えば、上層部が腐っている会社だからそういうことがおきる。

巨額の脱税や、逆に会社を揺るがすような損失隠しの粉飾決算が報道されるたびに、国税局の調査や公認会計士の監査に耐えて、必死に秘密を隠しとおそうとしていた担当者の心根はいかばかりであったろうかと、同業者として気の毒に思うこともある。ま、わが社は真面目な体質で助かった。

午後は、明日の会議用の資料作成に没頭。明日、明後日とまた忘年会があるので、本日も禁酒して帰宅。というか、先週末は風邪で倒れてたのだから、酒なんか飲んでる場合ではないよな、勿論のこと。