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2000/12/10 米大統領選はまたまた大逆転でハンド・カウント中止

今日はのんびり起床。FOXニュースでアメリカ大統領選報道の続きを見ると、州の無効票をもう1度ハンド・カウントせよとのフロリダ州最高裁の決定を、連邦最高裁がひっくり返して、手作業集計の中止を命じたらしい。あれれ。州最高裁の決定から24時間も経っていない間の大逆転。

ゴアが勝利するとしたら、無効票の手作業再集計でブッシュを上回るしか道がなかったから、これは、ゴアの大統領への道をほとんど閉ざしたに等しい決定になるかもしれない。

フロリダ州務長官がリジェクトした票の参入も、金曜の州最高裁はいったん認め、フロリダ全州でのブッシュのリードは154票にまでなってたのだが、連邦最高裁はこの決定も覆した。日本で裁判に持ち込むというと、何年もかかるのが当たり前で、特に政治関係の案件については、「裁判所の関知するところにあらず」と、いわゆる「門前払い」を食う例が多いのだが、アメリカの裁判所のこういう迅速な決定というものには、ある意味感嘆する。まあ、政治的なバイアスがかかっているという批判はもちろんあるにしても。

なんでも、連邦最高裁の判事は、ほとんど共和党によって、すなわちブッシュ候補の親父が大統領だった時に任命された共和党寄りが多いそうだが、フロリダ州最高裁は、逆に民主党による任命が多かったらしい。アメリカでは、連邦最高裁判所判事の任命で時々モメているが、こういうところで効いてくるのかねえ。連邦最高裁判事は、終身制なので、大統領権限で選ぶ時は、自分の政党に近い、しかも長生きしそうな人物を選ぶのがコツなのだそうだ。

2大政党制度や、州と連邦政府の権限の関係、裁判所判事の任免、大統領選挙人制度など、今回の大統領選挙騒動で問題になった社会制度は、日本ではなじみのないものばかりだが、政治制度の本読むよりも、こういう実例で勉強したほうがずっと分かりやすい。

今後の展開としては、この決定に対して、最高裁は月曜日に口頭による抗告を聞くことになっている。ゴア、ブッシュそれぞれの陣営から意見を述べるが、それでも判断が覆らなければ、ゴアは敗北を認めざるをえないところに追いこまれるだろう。それにしても、アメリカ人もうんざりしてるだろうなあ。