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2000/10/21 ワールド・レスリング・フェデレーションとアメリカ大統領選

駅前の理髪店で散髪。椅子に座ってついウトウト。理髪店の椅子に座ってる時も眠くなるが、飛行機に乗った時も、離陸を待ってる時から眠くなって、出発の時は必ず居眠りしてしまう。あれはいったいどういう理由だろうか。

夕方に部屋に戻ると、すでに初のON対決となる日本シリーズのTV中継が始まっている。しばらく観戦したが、野球というゲームは、どうにも進行がトロくて、見るのが苦痛である。やはりこのスポーツは、実際に球場に行ってのんびりビール飲みながら見るもんだよなあ。もっとも、日本の球場は、応援団が太鼓やらラッパやら鳴らして異様にやかましいし、応援の強要もするから、あんまり球場に見に行く気がしない。

野球は後で結果だけニュースで見ればいいやということで、あとはSkyPerfecTVのチャネルをあちこちザッピング。FOXでワールド・レスリング・フェデレーション(WWF)の中継をやっている。

WWFは、最近のアメリカで大人気で、巨大なビジネスと化したプロレス団体。試合の演出もド派手だが、コミッショナーやら選手やらオーナーからマネジャーがリングに上がって、延々とマイクパフォーマンスをやる。あれこれとリング上やリング外の因縁を盛り上げた上で試合をするのだが、たいへんに芝居がかっている。というより、ちゃんとシナリオライターがいて、連続テレビドラマのように、設定や筋書きやセリフを考えているのだそうだ。

ステロイドで巨大化した肉体を誇るレスラーが、作り上げたシナリオに沿って、因縁や刃傷ザタといったドサ回りの芝居のようなクサイ演出を背景に、ショーアップされた派手な試合を、連続ドラマのように延々とペイパービューで繰り広げる。

カメラはリング上だけでなく、まるでドキュメンタリーのように、レスラー達の控え室での抗争やいさかいなどの出来事も追いかけて物語を綴ってゆくが、これはすべてプロのライターが書いたシナリオに沿った演技だ。観客は、もちろんそういった筋立てを分かった上で楽しんでいるのだが、ある意味これは、背筋が寒くなるような格闘技の極北である。

金さえ払えばどんなものでもお好みのままに見せてやろう。観客が望むものを最初に大量に供給したものがマーケットの原理によって究極の成功を収める。WWFは、ある意味、アメリカのマーケット原理に従って、プロレス興行を舞台に、新しいビジネスモデルを作り上げた団体だ。

しかし、時としてアメリカのマーケットはとんでもない怪物を作り出す。WWFは、もはやプロレス団体というよりも、よくも悪くもアメリカでしか生み出せないような異形のショービジネスを作り上げた総合エンターテインメント会社である。

その後はFOXニュースのほうでアメリカ大統領選をチェック。日本では、ディベートが放映されなかったのが残念だが、ニュースでちょっとだけ見た限りでは、ジョージ・W・ブッシュは、難しい話になると、あきらかに自信無さげに目が泳いでいるのが分かる。

こういうところを見ると、やはりブッシュ2世は金持ちのバカ息子で、大学卒業もすべてオヤジのコネという噂も本当のような気がしてくるんだなあ。もっともゴアは、個人の資質では、「オレがブッシュに負けるかい」という自信過剰がありありで、時折ブッシュをバカにした態度を取ったのが一部の人には嫌われただろう。

世論調査では、ブッシュが僅差のリードだそうだが、このまま逃げ切るだろうか。個人的にはゴアを応援してるんだがなあ。<あんたはアメリカ国民じゃないから関係ないだろっちゅーの。