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2000/09/19 Win the game!

昨日の夜は、録画してあったNFL、49ers対セントルイス・ラムズの試合を見る。オリンピック中継よりも、やはりNFL優先。

試合開始最初のラムズのパスを49ersがインターセプト。絶好の位置で攻撃を始め、ジェリー・ガルシア最初のパスでタッチダウン。試合開始後わずか31秒、たった1回のプレイで7-0とリードを奪う。思い知ったか。はっはっは。

ま、しかし、調子よかったのはそこまで。<あかんがな。前半はラムズQB、カート・ワーナーの立ち上がりが悪く、タコなパスを連発したこともあり、なんとか同点で終了したが、後半になると、ジリジリと引き離される。

ワーナーも、今シーズンは、開始2試合でのパッシングヤードNFL記録を更新しており、そもそもの調子は悪くない。長いパスが次々に炸裂。フリーの状態でパスを受けたラムズのレシーバーの後を、サンフランのディフェンスがアタフタと後ろから追いかけて行くという、いつの間にか見慣れてしまった悲しい風景が次々に目の前に現れてくる。パスに対する守備がこれでは勝てない。

49ersのDL、ジュニア・ブライアントは、ランナーに後ろからタックルした際、モミアイになって、妙な形で頭から地面に激突し昏倒。立ち上がることができず、担架に全身を固定されて退場。

アメリカンフットボールは格闘技だから、試合中の事故で再起不能の大怪我をしたプレイヤーがたくさんいる。選手が特に頭への衝撃で倒れた場合には、駆け寄ったチームメイトやコーチには、その選手の意識が戻って手足が動くかどうかが心配の的である。脊髄損傷で半身不随になるということが現実に起こりうる世界だから。

ブライアントが倒れていたかなり長いブレイクの後半、様子を見に行ったヘッドコーチ、スティーヴ・マリウッチは、サイドラインに戻ってくると選手を集めて円陣を組み、全員でかけ声をかけている。いったい何をやってるのかと思ったら、本日のニュースでそのことが出ていた。

As Junior Bryant lay immobilized on the turf with a neck injury Sunday, Steve Mariucci huddled with his players on the sideline. The 49ers coach let them know their teammate was conscious, moving his hands and feet and was asking for just one thing: Win the game.
そう、マリウッチ監督は、全員を集めて、ブライアントは意識が戻り、手足を動かしていること、そしてたったひとつだけ監督に頼んだということを伝えたのだ。その頼み事とは、こうである。「この試合に勝ってくれ」

自分が倒れながらもチームの勝利を願う。ま、なんとも感動的な話ではありませんか。これが映画なら奮起したチームメイトの活躍で、49ersが大逆転ということになるのだが、世の中というのは、そうそういつも劇的な出来事が起こらない。結局、ナイナーズは24対41の大差で敗北。これで開幕3連敗。栄枯盛衰は世の習いとはいえ、80年代、90年代の強さがまるで夢のようだなあ。

来週はダラス・カウボーイズとの対戦。昔ならマンデーナイトで対決する好カードだったが、ダラスも今シーズンは1勝2敗と元気が無い。しかし、ダラスでの対決だから、あんまり勝てる気がしない。困ったもんである

そうそう、結局のところ、ジュニア・ブライアントは病院に運ばれたが、脊椎には異常なく、首を捻挫した程度らしい。よかった。