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2000/06/02 ほんもののパー / イギリスか英国かインドか天竺か?

今週号の週刊文春に、森首相の品格についてのアンケートなんてのが載ってるのだが、とある政治記者のコメントが凄い。

「”神の国”だって本人は何が悪いんだと思っているだろう。もともと理解できてない。ほんもののパーです。あれほど何もないやつは珍しい」

まるで何か個人的恨みでもあるのかと思ってしまうほどのボロカス発言だが、身近で首相を見てる他の記者の発言見ても、(ま、匿名とはいえ)似たようなものなのである。「記者懇談で、オレは歌手のXXとヤッたと得意げに話すその品性下劣さ」と発言してる記者もいる。確かに品性下劣である。ただ、就任早々、ここまでひどい言われようをする総理ってのもあんまり見たことないな。

ま、確かに森首相に比べれば、「暗愚の帝王」と呼ばれた鈴木善幸元首相でさえ賢く見えるからアラ不思議。ただねえ、衆院が解散になって総選挙だが、野党が「神の国解散」と呼ぶほどに、首相の資質問題が総選挙の行方に影響を及ぼすかどうか。はっきり言って資質に欠けるのは自明だが、自民党も案外に選挙で惨敗しないような予測が多いし、また森首相ってことになってしまうのではないだろうか。


さて、本日も公認会計士が某書類の監査。ちょっとコメントがあった。

「会計に関する部分ではありませんし、些細なことなんですが、主要な設備の状況に出てるロンドン支店の所在地が「英国」となってます。一方、地域別セグメントの説明のほうの国名は「イギリス」となってますので、表記を統一されたほうがいいのでは」

なるほど、もっともである。同意して虚心にあちこちに出てくる国名や都市名の表記を見直すと、これが全然統一が取れてない。作成に携わった部下を集めてちょっと議論。

「やはり英国という表記は古いですね」

「もしも表記を”英国”に統一するなら、アメリカは”米国”、サンフランシスコは”桑港”にするとか」

「”桑港”なんて明治生まれでもないかぎり、もう使わんっちゅうの」

「いっそのこと、インドは”印度”で、ドイツは”独逸”と表記する」

「あるいは”天竺”にするとか。ははは。」

「案外、古色蒼然としててオモロイかも」

「役所に出す書類をオモロイだけで作る奴があるかっての」

「しかし、イギリスってのは正式な名称でしたっけ? イギリス連邦とも言いませんか?」

「それはオーストラリアなんかも含んだ全体の名称じゃなかったっけ」

「Unired Kingdomって言うけど、あれは国名かね?」

「大英帝国って意味じゃないですかねえ」

「しかし地図帳にはイギリスとしか出てないなあ」

「所在地が”大英帝国”ってのも、ずいぶんと時代錯誤な感じがする」

「ドイツ現地法人の本社所在地、”ジュッセルドルフ”ってのは、一般的には”デュッセルドルフ”じゃない?」

「確かに、”ジ”じゃなくて”デ”のような気がするなあ。誰だ、こんなカナ振った奴は」

「ドイツだって正式な名称は、ドイツ連邦共和国とかだったような」

「う〜む。誰か地理に強い奴を呼んでこないと」

「あっ! 香港現地法人の所在国が香港になってるのはおかしいぞ」

「そういえば、中国に返還されて、香港って国はもう無いのか」

「というか、昔からあれは国ではなかったんじゃないの」

「租借地だっけ。今は、1国2制度だから、あくまでも国名は中国と書くのが正しいのかもね」

「”中国”じゃなくて、正確には”中華人民共和国”だろう」

「あれ、そうするとここの部分の”韓国”も”大韓民国”にしないと」

「それを言うなら、”台湾”も”中華民国”に修正だ」

「なんだよ、結局、ほとんど全部修正じゃないの。ははは」

とまあ、発端は実にツマランことからあれこれと大修正で、実はあんまり笑い事ではないのである。去年まで作ってた奴は誰だと言いたいところだが、他社のを色々見ても、国名の表記は結構バラバラだから、些細な点は、どっちでもいいような気もする。ああいう国名の日本語表記に関しては、これが正式という何かがあるのだろうか。う〜む、わからん。