MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2000/01/13 ツングースカの大爆発

電車の中で昨日買った文藝春秋を読む。立花隆が書いた、「ツングースカ大爆発を追う」は、なかなか興味い。

1908年6月30日、シベリア奥地、ツングース族の住む永久凍土地帯で、広島原爆数千発分といわれる大爆発が起きた。落下する天体らしきものが世界のあちこちで目撃されたことから、何らかの天体が地球に衝突したのが原因とされているのだが、近年の調査でも、現地からは隕石の破片はまったく見つかっていないのだそうだ。

この話は、ずっと昔に、今は亡き大陸書房の怪しげな本で読んだことあるなあ。奇想天外な説では、外宇宙から飛来したUFOが空中爆発を起こしたなんて説もある。そういえば、すっかり名前を聞かなくなったノストラダムス研究家、五島勉は、昔々の著作で、「火星人が地球に大砲を打ちこんだ」なんて怪説を披露していたのである。ま、これを信じるのなら、まだUFO爆発説のほうが可能性あるような気がする。

不思議なのは、夜空が異様に明るくなる現象が、ロシアだけならずヨーロッパ各地で観測されたこと。従来は大爆発の粉塵が光を乱反射したせいだと説明されていたのだが、近年の研究では、この現象は、爆発の1週間くらい前に始まり、爆発の直前に最高に達し、爆発の1日後には急速に消えたのだという。

他にも、大爆発後、近くの植物が異常成長したり、突然変異を起こした記録がある。しかし現地からは残留放射能は検出されてないらしい。こういう事実を見ると、なんとなく隕石や彗星のような天体が落下したのとは関係ない別の原因のような気もしてくる。最近では、地球内部で起こった物理的怪異現象(?)であるという説もあるそうで、なんだか、ウンベルト・エーコの「フーコーの振り子」を思い起こさせる。

まあ、すでに100年近く前のことで、しかもシベリア奥地のほとんど人が住んでない場所で起こった爆発だから、今後ともその原因が判明する可能性は低そうだ。

アメリカでは、隕石の地球への衝突を事前に探索するプロジェクトに予算がついており、すでにアメリカの軍事衛星は、直径10メートル程度の小天体が地球にぶつかり、ナガサキ原爆級の爆発を起こすのを、1975年から、1992年までの間に136回も観測しているのだという。これは初耳だが、本当だとしたら怖い話だ。

地球の表面の大半は海だから、今のところ人間には大した被害はないが、もっと大きいのが人口密集地帯に激突したら、「アルマゲドン」、「ディープ・インパクト」なんかの阿鼻叫喚が、実際に起こる日だって来るかもしれないなあ。ハリウッド映画には、だいぶ前にも、「メテオ」とか、「地球最後の日」なんて、隕石が地球にぶつかる終末物映画が結構あるのだが、あれはそういう不測の事態になっても、人々がパニックにならない準備に、アメリカ政府が影で援助して作らせてるのかもなあ。