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1998/04/09 シェイクスピアはどこにいる

帰りの電車で「シェイクスピアはどこにいる」読了。シェイクスピアの正体は、ストラトフォード・アポン・エイボン出身の同名の役者兼商人では無かったのでは、と言うのは、昔から色々と語られた説。確かに、ストラトフォードのシェイクスピアは学校に通った記録も無く、彼の書いた文章はまったく見つかっていない。文盲だったと言う説をとなえる学者さえいるくらいだ。しかも彼と文豪シェイクスピアを結び付ける直接の証拠は一切見つかっていない。ただ口伝と名前が同一なだけ。

あれだけの語彙を駆使した博覧強記の作家にしては、記録に残る、ストラトフォードのシェイクスピアの遺言状にも、まったく蔵書は見当たらず、なんの未完成原稿も見つかっていないところも実に不可思議だ。一番有名なのは、実は陰の筆者がフランシス・ベーコンだったと言う説だが、それ以外にもこんなに沢山の説が出ているとは知らなかった。

本としては、どの説にかたよる事なく、真面目、かつ簡潔にあれこれ紹介していてなかなか面白い。一読の価値あり。しかし結局、すべては歴史の闇の中と言う事になるんだろうなあ。

ところで、この本の作者、ジョン・ミシェルは、1933年生まれ、英国ケンブリッジで学んだ作家だが、巻末の著作一覧がなかなか面白い。「空飛ぶ円盤の姿〜よみがえった聖杯」、「アトランティスを見渡す」、「宇宙考古学小史〜異端説生成の諸相」、「「怪奇現象博物館」(これは確か読んだ事がある)「奇天烈紳士録」などなど。題名だけ見ても、興味をそそられる本が多い。きっと変なオッサンなんだろうなあ。ははは。