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2006/09/21 「仏像のひみつ」

今週は、鋭意溜まった本を消化中。昨日夜は、「仏像のひみつ」(山本勉/朝日出版社)読了。ずいぶん前の週刊文春の書評で見て、Amazonに発注したが未読であった。

この本は、東京国立博物館の教育普及室長であった著者が、在職中最後に企画した「親と子のギャラリー 仏像のひみつ」という企画展を本にしたもの。分かりやすい写真、図版満載で、大変に理解しやすく読みやすい。そもそも子供の教育用の素材とはいえ、大人が読んでも十分楽しめる。

如来、菩薩、明王、天というおおまかな仏像の種類に沿って解説するそれぞれの特徴、銅像や乾漆像など制作方法の違いによる差異、制作年代による仏像の造形やシルエットの違いなど、初めて知るような興味深い事実もあり、読んでいて飽きない。

以前感想を書いた、「仏像は語る〜 何のために作られたのか」は、様々な仏像にこめられた人々の魂のドラマを見出してゆく面白い本であったが、この「仏像のひみつ」は、初心者のための仏像常識の入門編としてなかなか優れている。