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2002/10/03 一粒で3度おいしい「寿司問答」

昨日の夜は、会社帰りに購入した、「寿司問答」をパラパラと眺める。dancyuに連載された、本格江戸前寿司屋訪問記を、写真満載の本にまとめ直したもの。

文を書いた嵐山光三郎は、同じ連載を、すでに「江戸前寿司、一(ピン)の一(ピン)の店を行く」という本にまとめている。今度の「寿司問答」の文章は、そこからの抜粋。「一粒で2度おいしい」とは、この事で、実に商売が上手い。

いや、そもそも、超高級寿司店で飲み食いしたのも、自腹ではなく雑誌の取材費なのだから、「一粒で3度おいしい」訳である。ま、こういう厚かましい人間でないと、「ギョーカイ」では生き残れませんな。いやはや。

しかし、ここに収められた寿司の写真は、実に美味そうに撮影されている。というよりも、そもそも美味い寿司は、どの店のでも、みな同じように美味そうなのである。反対にマズそうな寿司は、見てくれにもいろんな「マズそう」がある。ここにおそらく、江戸前の技術を伝承する、「寿司」という職人仕事の秘密が隠されているように思うのだ。

行ったことのある寿司屋の握りの形を、この本で再確認するのも実に楽しい。「ああ、そうそう、小笹寿しのトロはこんな形だったな」とか。「そうそう、これが新橋鶴八のコハダなんだよなあ」とか。はは。

「次郎」、「銀座小笹寿し」、「寿司幸銀座本店」、「新橋鶴八」、「與兵衛」、「喜寿司」。この本で取り上げられている18軒の本格江戸前寿司屋のうち、私自身が訪問したことあるのは6店。

完全制覇にはまだまだ遠い道であるが、「一心」、「松波」、「奈可久」、「新太郎」、「しま一」、「松栄」、「大和寿司」あたりは、それほど行きたいという気は起こらない。そうすると、残るのは、「青木」、「おけい寿司」、「吉野鮨」、「次郎よこはま店」、「山海」と5店か。う〜む。新規開拓も、もうエエ加減にしとけという声も聞こえてきそうなところだな。