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2001/05/21 都内某所にて / 「ザ・ジグソーマン」

土曜日の夜は、都内某所で結婚披露パーティーに出席。ネットで知り合った人と久々に会うと、ムヤミに懐かしいような気がするのは、いったい何故だろうか。幸せ一杯の人を見ると、回りまで幸せな気分になる。実に月並みで陳腐な感想だが、人生の小さな真実である。

場所も料理もワインも結構で、私は、いつも通り白ワイン飲み過ぎて、後半になって急速に酩酊。地下鉄で帰宅できたのが不思議なくらいであった。ははは。当然ながら日記お休み。



日曜は焼け跡状態。朝風呂入って午後はずっとグータラ。途中まで読んで放置していた「ザ・ジグソーマン」(ポール・ブリトン/集英社)読了。プロファイリングを利用した犯罪捜査というと、アメリカFBIの独壇場のようだが、これはイギリスで犯罪心理学を使って犯罪捜査に協力している著者の活躍を描いたドキュメント。

取り上げられている事件は、英国では著名な事件ばかり。本書の13章で扱われている、イギリス少年2名による幼児快楽殺人は、1992年に起こったが、犯人の少年2名がどちらも10歳の子供であったということが衝撃的で、当時、日本でも大きく取り上げられたはずだ。

ショッピングセンターで、母親が2歳の男の子からちょっと眼を離した隙に、2人の少年達が男の子を連れ去る。人気のない線路際まで連れて行った後、煉瓦で何度も殴りつけて殺害したという陰惨な事件。なんの怨恨があったわけでもない。この少年達2名は、ただ幼児を殺したかったから殺したのである。2人はほどなく逮捕されたが、8年以上の無期拘束の刑に服して、いまや18歳。

ところがこの2名は、今年の春か夏にでも仮出所するのだという。このニュースは、最近、日本のメディアをも騒がした。

仮釈放のみならず、この2人の少年達の社会復帰と更正を支援するため、英国高等法院は、彼らの釈放後の居場所や、人相等に関するメディアの報道を一切禁止し、政府は彼らにまったく新しい名前とパスポートや経歴、卒業証明書や社会福祉証明書を与え、犯人たちは、まったくの別人として社会に復帰することが可能になってるのだそうだ。

まるでFBIの証人保護プログラムのようだが、なんで殺人者のために税金まで使って、ここまで前歴を隠してやらなければならないのだろうかという気がする。もっとも、ひとつの人道的理由は、彼らをそのまま世間に放り出したら、報復で殺される可能性が多いにあるからだ。実際、2歳だった息子を惨殺された父親は、彼らを必ず「狩り出す」と言ってるらしい。

その他にもこの本に掲載されているのは、性犯罪にまつわる残虐な事件が多い。世界の犯罪学者の間では、日本の青少年の犯罪率(特に殺人を犯す率)が長期にわたって低下していることに驚きの声が上がっているのだそうだが、宮崎勉や少年Aがいたとはいえ、この本を読むと、日本はつくづく平和だと思わざるをえない。