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10月2日付・読売社説(2)[朝日新聞『見解』]「裏付けのない報道は訂正が筋だ」 朝日新聞は、読者に真実を伝える責務から逃避しようというのだろうか。「これで決着」と言うのであれば、報道機関として無責任な対応ではないか。 NHKの番組が政治家の「圧力」で改変された、と朝日新聞が報じた問題で、同紙の外部有識者委員会は「取材が十分だったとは言えない」などとする「見解」をまとめた。 委員からは、記者がNHKの内部告発に基づき取材を始めたため、「思い込み」が生じ、事実確認の「詰め」が甘くなった、という意見も出た。報道機関として深刻に受け止めるべき指摘である。 秋山耿太郎社長も、「記事には不確実な情報が含まれていた」と、会見で反省を口にした。それなのに「訂正する必要はない」と強弁するのは“開き直り”としか受け取れない。 とにかく、朝日新聞としての最終結論にしたいようだ。後は「NHKの反応を見守る」と言う。秋山社長は「NHKが納得できないなら法的に対応してもらってかまわない」と言い切った。 番組の放送前日にNHK幹部を「呼び出し」て「圧力」をかけた、と報じられた安倍晋三・自民党幹事長代理と中川昭一・経済産業相に対しても、今回の対応で「誠意を尽くした」としている。 1月の最初の報道から8か月半。朝日新聞は記事の真実性を証明するための「裏付け取材」に追われ、結局それを果たせなかった。 政治家やNHK幹部とのやり取りを収めた録音記録の有無については、「取材過程を明かせばジャーナリズム全体に影響が出る」として明かさなかった。 その一方で、録音から起こしたとしか思えないほど詳細なやりとりの記録が月刊誌に流出し、掲載された。ちぐはぐな対応は、朝日新聞に対する不信感を増幅させただけだったのではないか。 争点は、政治家がNHK幹部を「呼び出し」たのかどうか、面会は放送前日だったのか、の2点だった。 秋山社長は「これらを裏付ける事実は確認できなかった」と認めた。ならば、謝罪し訂正するのが筋だろう。 その一方で、有識者委員会は「記者が真実と信じる相当の理由があった」との見解を示している。これを受けて朝日新聞は「相応の根拠があったと認められた」とした。だから謝罪も訂正もしない、ということになるのだろうか。 秋山社長は、今後は「政治とメディアの関係」の調査報道に力を入れていく、と力説した。だが、その前に、責任あるメディアとしての「けじめ」が必要なのではないか。 (2005年10月2日1時27分 読売新聞)
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