January 5, 2005

20050105.jpg正月休み中にDVDで「ビューティフル・マインド」を見た。アカデミー賞で作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞の主要4部門を獲得し、日本では2002年春に公開された映画。

このDVD自体はDVD化された直後に買ったんだと記憶してるけど、どうも見るタイミングがなくてビデオラックの奥で埃を被っていた。恐らくありきたりな愛と感動の物語だと勝手に思い込んでいたからだろう。たまたま年末に大掃除したら出てきたこのDVDの裏書でこの物語がゲーム理論でも何度も耳にする「ナッシュ均衡」のジョン・ナッシュ氏の半生を描いたものだと知りビックリ。早速見てみた。

見てまたビックリ。ナッシュ均衡は知っていたがジョン・ナッシュ氏自身については予備知識の無かったオレにとってはその内容は衝撃的だった。逆に知らなかったからこそ純粋に楽しめる映画だったと言えるかも。

この映画は感想書こうとすると全てがネタバレになってしまうのが苦しいところだけど、ジョンナッシュやナッシュ均衡の事を知らなくても、いや知らない方が、のめり込める映画。この映画はあらすじやネタバレレビューを決して読まないで見て下さい。シックスセンスみたいに。次から次へと予想を裏切る展開に一瞬も目が離せない、あっというまの135分になること請け合い。お勧めです。

以下、ネタバレ備忘録なのでこれから見る人は読まないで

↓(反転させて読んでください)↓

 最初は単にスパイモノのサスペンスかと思って見てたらなんと幻覚かよ!?で、またパーチャーが出てきて「更に暗号は高度になった」なんて言うから「いやいや、統合失調症ってのはやっぱりソ連に嵌められてただけなんだ」と思い直しかけさせられて、やっぱり幻覚だっつー中盤のどんでん返し。そのおかげで最後の最後までどこからどこまで正気で、どこからが幻覚か疑いながら緊張感を持って見ることが出来た。だって図書館で出会う学生まで幻覚じゃないかと疑いながら見てたし。

で、話が分かってもう一度見直してみると、ちゃんと幻覚は幻覚、事実は事実と丁寧に一線を置いた描写をしてるんだよね。ところが初見だとストーリーに引き込まれちゃって夢と現の境目を見失ってる、つまり見てる側もジョンナッシュの心理状態を味わえるのがこの映画の凄い所だと思う。

鑑賞後に色々調べてみると、実物のジョンナッシュは妻アリシアと若い時期に一度離婚(その後再婚したらしいが)しているし同性愛だったり反ユダヤ主義だったりした事実もあるそうだ。だからこの映画を単純にジョンナッシュの半生の映画化として見れば美化しすぎで胡散臭いものになるんだろう(ここら辺については「もうひとつのビューティフルマインド」に興味深い考察が書いてある)。ただ、映画の脚本を書いたアキーバ・ゴールズマン氏は、父がセラピスト母が児童心理学者で自宅に自閉症の子供の施設が有ったという体験を元に「脚本の中で現実と妄想の境界線を探り出したい」という意図を見事に達成できたと思う。アカデミー賞では「脚色賞」を受賞した本作品だが、これはゴールズマン自身「これはナッシュの人生そのままではない。大筋を生かしつつ、半分はフィクションになっている」と語っている通り思い切って「脚本賞」にしても良かったのではと思うほど脚本が優れていた。いや、もちろん幻覚でカーチェイスと銃撃戦はやりすぎかも知れないが、そんな極端な脚色のお陰で「現実と妄想の境界線」を浮き立たせる事が出来たように思える。ゴールズマンの目論見は見事に嵌った。

ラストのノーベル賞授与式でのスピーチも感動的なんだが、個人的に気に入ったのはジョン・ナッシュがアリシアにレストランでプロ-ポーズする時のやり取り。永遠の愛を確実にする何かが欲しいと焦るジョンに、宇宙の広さを信じる事を例えて愛は信じる事と諭すアリシアには痺れた。

ちゅうことで新年早々遊就館とビューティフルマインドで泣かされ捲ったオレでした。

[ Review ]
Posted by gori-san1997 at January 5, 2005 6:28 PM | コメント - 10件 | TrackBack - 0件
コメント
10579 : 海老さま : January 5, 2005 10:31 PM

(LINK)

○去年12月の中国の新華社通信の報道は、政府の補助を受けず、
CMもないNHKの経営を高く評価していた。

NHKを愛し、言われなき誹謗中傷に屈することなく、視聴者・国民の皆さまが
安全で安心して暮らせる社会を、放送を通じて構築していく意識でがんばって欲しい。

ことしはNHKが視聴者・国民の皆さまに信頼される年にしたい。元気と勇気、自信と誇りを持って、この難局を乗り切ってほしい。

10580 : : January 5, 2005 10:49 PM

>NHKの経営を高く評価していた

そりゃー評価するわな。
支那のご機嫌そこなわないよう、
国旗・国歌は否定するわ、Aカップのブーイングや領事?公使?の車焼き討ちも
資源泥棒も尖閣不法上陸も原潜領海侵犯も
最大限支那に配慮して、国民に知らさないような報道してるんだから。

10581 : : January 5, 2005 10:52 PM

-------------------------------
NHKからは27人の職員が現地に入り、昼夜を問わず放送と報道にあたっている。また日本を含む各国が支援に乗り出している。
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えっ?何かの間違いじゃ?

NHK独自の映像や現地リポートって、有りましたっけ?

殆ど海外メディアの配信ニュースしか記憶に無いんですが。

10582 : sakura : January 6, 2005 10:39 PM

私も去年、ビューティフルマインドを観て、2,3日その衝撃が頭から離れなかったことがあったのを思い出しました。
恐怖感と、衝撃と感動とがありました。(ネタバレにならないようにするとこんなふうにしか書けなくて(笑) く、くるしい)。
たしかに脚本のすばらしさですね。とてもおもしろい映画でした。

10583 : gori : January 6, 2005 11:21 PM

>>10464 : sakuraさん
あー良かったやっとマトモなレスがついた(苦笑)

年始に立て続けに2回見て、1回目は夜中だったけど興奮状態で目が冴えまくって眠れなくなりました。んで2回目はもう最後は涙涙。
この手の「現実と非現実の境目」をさまようような映画(たとえばジェイコブスラダーとかトータルリコールとか12モンキースとか)大好きなんで個人的にはツボでした。
う~ん、ネタバレにならないように書くのは難しい

10584 : Take : January 7, 2005 4:16 PM

「ビューティフル・マインド」という映画は見たことがなかったのですが、goriさんのお薦めとあれば、見ないわけにはいかないですね(^^;
早速、DVDを予約してしまいました。

個人的には、「ゲーム理論」をもう少し勉強してみたくなりました。

10585 : gori : January 7, 2005 4:38 PM

>10486 : Takeさん
おお、予約されてしまうとは!もしTakeさんにとってハズレだとしたら御免なさい!!
見たら是非感想聞かせてくださいね。

ゲーム理論ですが入門書としては数学・経済学の知識がなくても面白く読める「ゲーム理論トレーニング 著:逢沢 明 」なんかがお勧めです。例題豊富で本の題名通り自分の思考方法をゲーム理論的にトレーニングするという使い方も出来るし。ジョンナッシュやビューティフルマインドについてもコラムにちょっと書いて有ります。
もしTakeさんが学生さんとかで十分勉強する時間があるのなら、ちょっと易し過ぎるかもしれませんが。

10586 : Take : January 7, 2005 6:39 PM

goriさんのお薦めならと、安心して「ゲーム理論トレーニング 著:逢沢 明 」を注文してしまいました(^^;
ちなみに学生でもなく、若くもなく、時間もあまりないですが(笑)

ナッシュ博士と言えばノイマン教授。ノイマンと言えば「博士の異常な愛情」とか「未知への飛行」とかを思い出します。
確か、「引き返すよりも、今ソ連を叩けば、損害を差引してもアメリカの勝利です。」と言ったのはどっちの映画の政治学者でしたっけ?
これもいわば「ゲーム理論」ですよね?

10587 : gori : January 7, 2005 7:14 PM

>10494 : Takeさん
ナッシュ教授で即座にゲーム理論の始祖と言えるノイマン教授が出てくるのは流石ですね。
紹介した本は入門書としては良いんですが、Takeさんには全然物足りないかも・・・その時はまたまた御免なさい!

それにしても今の対北交渉をゲーム理論の本を読みながら思い浮かべると、本当に面白いですよ。見事に嵌ってるなぁと。
しかもゲーム理論は完璧な理論ではなく、あらゆる矛盾も孕んでいますんでそこら辺がまた面白い。そういう観点からエントリーを書けたらなぁと思ってます。でも時間が無いなぁー。

36958 : jonundead : April 7, 2008 3:53 AM

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