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[久津間オリジナルドライバー] ほぼ完成品・・


300Sと久津間オリジナル 写真左が現在の首領のエース候補であるミズノ300S@フジクラ・スピーダー757。久しぶりに良い感じのクラブに仕上がってエースの座確定・・かと思われたのですが・・

 右が問題のクラブ。
そう、これまでプロトタイプを何度か試してきた、久津間さんの手によるチタンドライバーがほぼ完成品のレベルにまで達しました。

 容量的には280ccということで、前回紹介した久津間280チタンの完成版ということになりますが、細部に手が入っており塗装されたこともあり、別クラブのような印象です。

 容量が似ていることもあり300Sと近いイメージなのですが、ネックまわりと、フェースのヒール部分の処理が大きく異なっています。簡単にいってしまえば、パーシモンの名器であるブラックパワーの流れを受け継いでいる、ということになります。

フェース面 右の写真はフェース面の写真。

 正面から見ると、ネックまわりの肉の付き方が大きく異なっているのがわかると思います。オリジナルドライバーのスコアラインはフェース全面に入っており、実際にこの全面を使って打つことが可能です。

 左を向いたヘッドについては何度も書いていますが、もう一段階踏み込むと「フェースのどこで打つことができるか?」という見方がでてきます。多くのクラブではヒールが凹んで見え、引っかけるイメージが強い(実際、強烈なフックが出たりします)のですが、オリジナルドライバーではフェース全面を使って打つことが可能です。

ヘッド上部からの比較 左はヘッド上部からの比較写真。

 オリジナルドライバーはほんのわずかフックフェースになっています。このあたりは使う人によって微調整が可能なのでスクウェアやオープンも当然可能。

 300Sのほうは757に刺し直す時にスクウェアになるようにかなり調整してますからね。

 上で書いたようにフェースの全面、とくにヒール部分の処理が良い感じに仕上がっています。構えただけで弾道のイメージが頭に浮かぶ・・という感じかな? 300S@スピーダー757も結構良い感じに仕上がっているんだけどね(笑)。ネックはパーシモンと同じように糸巻き処理されています。久津間さんは通常のフェルールで仕上げてみたかったそうなのですが、どうしてもシャフトからヘッドに入るラインのイメージが出せないために、糸巻き処理にしたとのこと。構えてみればわかりますが、シャフトからフェース、バックフェースに繋がるラインがとにかく美しい。市販のチタンクラブは全然ダメね・・(笑)

トゥ側からバックフェース側 左がトゥ側からの写真で、右がバックフェース側からの写真。

 ヘッドは鍛造4ピース構造(ホーゼルを含む)でロフトは9−10度が中心。出来上がってきたヘッドを久津間さんが一つ一つチェックして、使えそうなヘッドをチョイスします。

 なにしろ厳しい久津間さんのチェック、かなり歩留まりが悪くて業者が泣いているとかいないとか(笑)。クラブとしてはシャフトを刺して完成品を作って置くというのではなく、注文したお客さんの体型やスイングについて山ほど話をしながら、ヘッドを選び、シャフトを選んでクラブを作り上げていくというオーダー方式になります。まあ、これはウェッジにしてもオリジナルアイアンに関しても同じなんですけどね・・

ソール写真 写真はソール写真

 プロトタイプはシャフトがスルーボアになっていましたが、今回作ってもらったのはブラインドボア処理になっています。超ハードヒッター向けにはスルーボアも可能のようです。

 中央にあるのがKUTSUMAのロゴマーク。
左にある蝶々の様な模様は、今回のドライバーから付くことになった久津間さんの新ロゴ(笑)。

 久津間幸雄のイニシャルのY.Kをデザインしたそうです。このロゴがツアーを席巻して・・ってなことになれば面白いんですけど、なかなか実現しそうにないですね(笑)。久津間さんはプロにただでつかってもらう、なんてことはまずやらない。完成を楽しみに待っているアマチュアと同じようにお金を払って待って買って貰う(笑)。「クラブなんてのはメーカーが持ってくるもんだ」というような勘違い大嫌いだそうです(笑)。

 話はそれますが、削り出しパターの大家のT.P.ミルズもどんなプロに対してもお金をもらったそうです。それがたとえパーマーであっても・・(昔のチョイスで読みました)。友人関係にあったニクラウスから頼まれたとき、$50の請求書と一緒にパターを送ったらニクラウスが「なにか間違ってないかい?」と言ったそうです。ミルズは「高すぎるか?」と答えたそうですが(笑)、ニクラウスは「私にクラブを使って貰うことはビッグマネーへの道であり、光栄なことで、クラブにお金をはらったことはない」と言ったとか。それに対してミルズは「私もお金を貰わなかったことはないんだよ」と切り返し、疎縁になってしまったとか・・ 契約プロはタダでクラブがもらえるし、場合によっては使うことによってお金が入るわけです。それが当たり前と思っているのは・・なんか変ですね(笑)。そういうプロ達が薦めるクラブって・・わかるでしょ(笑)。クラブは自分で選びましょうね・・

シャフト さて、プロトタイプではシャフトがイマイチ合わなかったのですが、今回はかなりハイスペックなシャフトが出来上がってきました。メーカーはマミヤなのですが、山ほどの試作を繰り返した末に、「出来うる限りの最高のスペックのモノを作ってくれ」と話を詰めたそうです・・(汗)。

 重量は82gでトルクは2より少し大きめ。手元が少し太くなっており、手元の安定性は抜群で、できあがり重量は44.5インチで340g弱。ブッ叩いても引っかけることはありません。まあ、当然のことながら、ちゃんと振り切らないといけませんけどね(笑)。

 シャフトのバリエーションはかなり広く、私の使ったシャフトよりさらに低トルク(1.3)のハードヒッター向けのものから軽量シャフトまで幅広く揃えられています。

 気になる値段ですが、シャフトバリエーションにもよりますが10−13万円ぐらいになりそうです。ちょっと高いかな? でも、この値段はできあがりクラブの値札とは異なります。前述したように、作る場合は久津間さんとの綿密な打ち合わせによるカスタムメイドになりますし、スペックが合わない場合には何度でも調整が行われ、ほぼ一生に渡る(笑)サポート料を含んでいます。それが高いか安いかはご自分の判断にお任せしますね・・

 記事に書いたように大量生産というわけにはいかないし、すでにかなりの量のバックオーダーが入っているのですぐに手に入るというわけにはいきません。まあ、パーシモンのブラックパワーでは2年3年待ちだったという伝説もありますから、ある程度の待ち時間は覚悟しないと・・(笑)

 ご興味のある方は首領までメールとか頂ければ、できる範囲で情報をお教えします。

 首領のお薦め度: あーあ、チタンドライバーもついにアガリかぁ・・・・ 95点

(C)ゴルフ虎の穴 首領