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巨匠による作品(パーシモン) 市販モデル&スペシャルモデル
BlackPower 写真は正月の更新の際に「2000年の首領のクラブセットはこれだ」で紹介した久津間さんの手によるBlack Powerの1W、3Wの二本。

 残念ながら、久津間さんからの借り物なのだが、練習場で打ってみて手も足も出ずに白旗掲げて返すことになったモノである(笑)。実はこれ、ツアープロのブラント・ジョーブの為に製作されたものなのだ。「ジャンボにひけを取らない飛距離のジョーブ用に作ったクラブだから、キツイよ(笑)」とは久津間さんの弁。

 これまでオークションで大町プロや室田プロのお古ドライバーを入手したりして、プロの道具というのをある程度は知っていた首領だが、このクラブには手も足もでませんでした(笑)。ボールが曲がるとか飛ばないとかいう問題ではなく、まさに手も足も出ない・・そんな感じ。どんなに機能的な美しい作品でも、それを操れるパワーと技術が伴わなければクラブが泣くぞ、という良い例でした(笑)。
沼沢モデルブラックパワー というわけで、柿使いへの道を挫折しそうになった首領なのだが、中古ショップでおもしろいパーシモンを掘り出してきたのでBlack Powerと比較しながらレポートしてみたいと思う。

 写真左がそのパーシモン。
ソールだけで「あ、あれだ!」と閃いた人は柿使いの資格十分です(笑)。これはブリジストンから発売されていた沼沢さんのモデルなのである。柿と言えば、沼沢さん、喜多さん、そして久津間さん巨匠と呼ばれる人たち。

yn(Yuji Numasawa)モデルの287-5という、モデルでブリジストンのロゴも入っているが、カーボンシャフトもヘッドも沼沢パーソナルという位置づけ。値段も当時ではかなりのモノだったのだが、柿使いが激減した今では使う人もなく、値段が付かない状態とのこと。首領が見つけた中古ショップでは壁の飾り物になってました。ちなみにこれ、新品です、はい。パーシモンはフェイス、ヘッドだけでなく、ソールにも独特の顔があります。ソールプレートによって遠目で見てもメーカーが分かったりするんですよね。
YNフェイスBPフェイス 写真はフェイス面の比較。
 パーシモンはボールが当たる部分をインサートによって強化している。

 左が沼沢モデルで右がBlack Power・・というか、久津間モデルと読んだ方が良いね(笑)。

 フェイスインサートはどちらも台形だが、ヒール側の角度が違うのが分かると思う。久津間さんの手によるパーシモンはこの角度が特徴になっている。これは構えたときのインサートの見え方に関係するもので、この左右非対称の角度によって構えた時のフェイスの向きが真っ直ぐになるように工夫されているのである。
YNヘッド上部BPヘッド上部 写真はヘッドを構えた写真。

 写真の角度が微妙に違うのでうまく説明できないのだが、久津間モデルの方がインサートの見え方が自然でフェイスの向きがはっきり意識できるようになっている。前述したインサートの微妙な加工によるものだが、構えたときの安心感という点では大きな加点になっている。

 ちょっと久津間モデルを誉めすぎの感があるが(笑)、沼沢モデルが悪いというのでは決してない。ホンマやウッドブラザーズと比較しても沼沢モデルの完成度は遙かに高いし、美しさも十分である。だが、それ以上に久津間モデルの工夫が至れり尽くせりということなのである。久津間モデルは市販バージョンというか廉価版ってのが存在しないから今回の沼沢モデルと比較するというのはお二人に対して失礼に当たることなのかもしれないね(笑) ← 反省しろって

 木目の美しさという点では好みの問題も入るのだが、量産タイプの沼沢モデルに対し、久津間モデルの方が圧倒的に私は好きである。ギブソンのレスポールの虎目みたいなものかなぁ・・
 さて、最後に試打の感想をば・・
久津間さんのBlack Powerは前述したように、手も足も出すことなく白旗を掲げてしまったのだが、一方の沼沢モデルはシャフトがSRのカーボンということもあり、非常に楽に振ることができるクラブになっている。チタンそのままのスイングではすっぽ抜け気味の球になったが、コックを使って「溜めて、叩く」スイングをすると良い感じのドローボールが飛びだした。ただし、飛距離についてはちょっと落ちるけどね(笑)。
首領のお薦め度: 柿使いを目指す貴方は一本手に入れておきましょう・・90点

(c) 虎の穴首領