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復活の火造りパター スチールシャフトで復活
火造りパターバックフェイス 火造りパターの復活じゃ・・
4年前に造ってもらったパターなのだが、なにをトチ狂ったのかシャフトにカーボンシャフトを刺してもらったため、重量調整に多量の鉛をシャフト内部に入れることになった。

 おかげでテイクバックするだけでシャフトがたわむのがわかり、距離感をまったく出せずに実戦で使われることがなかった悲劇のパターである(笑)。

 さて、新しい虎の穴読者の方は火造りパターについて知らない方が多いのではないか? その昔、パターに限らず、鉄製のゴルフクラブは鍛冶屋が鉄の棒を叩き上げて造っていたのである。イメージ的には日本刀を鍛え上げる鍛冶作業である。

 いわゆる鍛造というのは金属棒を型でプレスして成型し、研磨行程を経て仕上げられるもで、ここで言う「火造り」とは全く異なっている。なにしろ金属塊をハンマーで叩いて形にしていくわけで、その手間たるや気の遠くなるような工数となる。そういうわけで、現代では残念ながら廃れてしまった工法と言えよう。
スワンネック そういう火造りの第一人者・・というか、火造りを復活させた現代の名工である姫路の藤本技研の藤本さんの手によるパターがこれなのである。

 ヘッドはL字のブレードに似ているがヒール&トゥバランスにするためにアンサータイプのように中央部がキャビティになっている。特徴的なのがネックでいわゆる「スワンネック」となっている。藤本さんは鉄の棒からこの形に叩き出すのである。全体的に美しい曲線で構成されたヘッドと手作業でのみ可能な曲げ具合のスワンネック、まさに芸術品(笑)。

 前述したように、当時の流行だったスチール並の超重量カーボンシャフトを入れてしまったおかげで、せっかくのヘッドを台無しにしてしまった首領なのだが、このところのパッティングの不調でとっておきのスワンネックを前線復帰させるべく、スチールシャフトに交換することにしたのである。

 使用していたカーボンシャフトは重量120gの物で、スチールシャフトを越える重さがある。そのためヘッド重量があるもののヘッドバランスが出にくかったので大量の鉛をシャフトに入れたのだが、それがすべての元凶になっていた。そこで15gほど軽いスチールシャフト(久津間さんちで見つけた極秘のシャフト・・笑)を刺してみたところ、ヘッドの効きが良くなって全体重量が多少軽くはなったが仕上がりとしては満足いくパターに生まれ変わったのである。
構えた所 写真はスワンネックを構えた所。
シャフトの延長がヘッドの中央部になるように調整してもらい、キャビティ部で打つことで最大の転がりを得るようにしてもらっている。

 シャフトの中心線がフェイス面と交差するような調整で、構えた時にネックが気になることなく、ボールに集中することが可能になっている。

 さて、リシャフト後の感想・・
ふっふっふ、完全復活だぜぇぇ、こいつは良いや(笑)。しなりの出るカーボンシャフトではタッチが全く出せなかったのだが、硬いスチールシャフトに柔らかな鍛造(本当の意味での)ヘッドのおかげで、柔らかいがしっかりとした打感で微妙な距離感を出すことが可能になった。

特徴的なスワンネックのため、フラットに構えても、吊り気味にアップライトに構えてもどちらでも違和感無くストロークすることができる。エースになるかどうかは不明だが、1軍ベンチ入りは確実だろう・・(笑)
 さて、お値段であるが・・4年前の値段でヘッド価格が4万ぐらいだった。
他のメーカーでは信じられないことだが、「こういうヘッドが欲しい」と落書きみたいなスケッチを藤本さんに見せれば、技術的に可能な範囲でどんな形でも作ってくれるのである(笑)。シャフトをグリップを含めて当時の値段で総額6万という感じ。藤本技研は最近ではアイアンヘッドだけでなく、完成品のアイアンなども世に送り出しているので、一般ゴルファーの目に触れる機会も増えてきたのではないだろうか・・ ある意味、究極のカスタムパターですな・・
 首領のお薦め度: 幻のパターということで一般ゴルファーへのお薦め度 -∞点

(c) 虎の穴首領